「なまずの里よしかわ」の由縁
稲作をはじめとする農業が盛んだった吉川には、昔から川の水を引き込んだ用水路や小川が各所に流れていました。そうした水場は、さまざまな生物の住みかとなり、中でも " なまず " は、いたるところでその姿を見ることができたそうです。
昔の子どもたちにとって、なまず捕りは娯楽であり、家に持って帰れば食材として歓迎されるという一石二鳥の " 遊び相手 " でした。しかし、その "なまず" も、まちが都市化していった昭和40年代頃から急激に少なくなっていきました。
このような中、古くからこの地で親しまれてきた " なまず " を吉川のシンボルにしてまちづくりを進めていこうという気運が高まり、商工会が中心となって、市内の商工業者が " なまず " をモチーフにしたまんじゅう、せんべい、サブレー、ぬいぐるみ、キーホルダーなどのグッズを開発し平成7年には吉川駅前に日本一大きな金色の「なまずモニュメント」も完成しました。
また、平成8年には、農事組合法人吉川受託協会が "なまず" の養殖に成功。地下水で育てた良質の吉川産なまずを出荷できるようになりました。さらに、市民や市、商工会などの努力が実り、平成12年に埼玉新聞社が募集した「21世紀に残したい・埼玉ふるさと自慢の百選」では、「吉川市のなまず料理」が13,000票を超える票を獲得して埼玉県のナンバーワンに輝きました。
現在も吉川市では、なまずの絵を水道の仕切弁の蓋などに使用するなど積極的に活用し、街おこしを進めているところです。
吉川市の特産品
吉川ねぎ
品質の高さ、味の良さで人気の高い吉川産のねぎ。巻きが固く、調理の際に煮くずれしません。栽培が始まったのは、明治時代の初め頃。出荷は、毎年6月から12月にかけて行われ、吉川で生産される野菜の中で一番の出荷量を誇っています。
吉川米
古くより早場米の産地として知られていた吉川は、市の北部・東部を中心に稲作が発展してきました。そのおいしさで人気が高く地元で売られるせんべいなどの原料にもなっています。
花しょうぶ
初夏になると優雅な花を咲かせる花しょうぶ。出荷の9割を占める「初霜(はつしも)」という品種は、純白な大輪の花と2メートルにもなるぴんと張った葉が特徴。吉川産は、日本一と誉も高く、その美しい姿は、春から六月中旬ごろまで市民農園でも見ることができます。
わら製品
米どころ吉川では、昔からわら製品作りが盛んでした。江戸時代の明暦の大火では、吉川のわら製品がまちの復興に使われました。また、以前まで大相撲本場所で使われる土俵だわらは、すべて吉川で作られていました。今でも数軒の農家でわら製品が生産されています。